三王礼拝講(さんのうらいはいこう) 延暦寺僧りょが法華八講を厳修 |
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JR比叡山坂本駅または京阪電車坂本駅下車、徒歩約7分。 |
比叡山の山麓、坂本の町に鎮座する日吉大社は、全国日吉神社の総本宮で歴史は神代からとなるが、最澄(さいちょう)によって比叡山が開かれ、塔堂の整備が盛んになった三代座主円仁(ざすえんにん)のころから日吉大社は延暦寺一山の護法神、守護神と位置づけられ、広く崇敬を受けるようになる。 以降、室町時代の強訴の神輿や信長の比叡全山焼き討ちなどとともに日吉大社は延暦寺と深くかかわって、明治元年の神仏分離令の施行後も、神仏習合(しゅうごう)の形態を今に伝える、全国でも貴重な存在になっているのである。 日吉大社の催事に延暦寺の僧りょが参加する最も大きな行事が、毎年5月26日に行われている山王礼拝講(さんのうらいはいこう)。 延暦寺僧りょと日吉大社宮司以下、神職一同が出仕して日吉大社の西本宮拝殿で天台宗の根本教典である法華経八巻を講じる「法華八講(ほっけはっこう)」を厳修する。 日吉大社に伝わる山王礼拝講文献によると、後一条(ごいちじょう)天皇時代の1025年(万寿2年)3月12日に、日吉大社境内の八王子山の木が一斉に枯れてしまい、神主が神にうかがうと「延暦寺僧が修学修練を怠って甲冑(かっちゅう)を着け遊び回るのを見た神の怒り」だという。 それを聞いた延暦寺の山僧は神慮(しんりょ)を恐れて、老若ことごとく馳せ参じて法華八講を修し、それ以来、日吉の神前で毎年法華八講の法要が行われるようになったと記されている。 5月26日午前8時ごろ、延暦寺僧りょ約30人が日吉大社宮司らの先導で西本宮拝殿に入り、修祓、献饌(けんせん)、宮司の祝詞(のりと)奉上のあと一山僧りょが山王礼拝講を購読し、拝殿内でシキミの葉の散華(さんげ)が行われて正午すぎに、すべての八講の行事が終了する。(1999年6月掲載) |
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