5月3日仰木祭り(別名 泥田祭り) |
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比叡山のふもと、仰木(おおぎ)一帯の鎮守社である小椋(おぐら)神社には、水をつかさどる神が祭られている。上仰木、辻ヶ下、平尾、下仰木の四地区を氏子としており、毎年5月3日に行われる仰木祭りには谷を隔てて隣接する雄琴地区の千野(ちの)も参加し、五地区がそれぞれの御輿(みこし)を担ぐ。千野が加わるのは、辻ヶ下の若宮権現を千野に分祀した縁で、千野は仰木の別れだとも伝えられる。 5月3日の仰木祭りは、別名「泥田(どろた)祭り」と呼ばれているように、毎年田植え前に降る雨の中で、泥まみれになって祭礼を行うことが多かった。美しい千枚田の棚田が広がる仰木の里の豊作を祈る雨の神様の祭りなのである。 祭礼は3日朝9時ごろから小椋神社で神事があり、午後3時より千野衆を含む五地区の人たちが辻ヶ下の三差路に集い神社に向かう。そして午後4時ごろ神社から仰木小学校グランド前にある御供所(ごくしょ)へ向かう御供行列がスタート、続いて五社の神輿が午後5時ごろ神社を出て、JA横の御旅所(おたびしょ)まで渡御(とぎょ)、御旅所では餅を神輿の屋根に投げる「流し餅」行事などが行われる。 このあと、御供所で餅や御神酒などの御供があって、御供所前の広場で仰木四地区の年番総代の引き継ぎの儀式「芝座敷(しばざしき)」と、千野衆の年番引き継ぎ「千野座敷」と続き午後6時頃から馬に乗った人が3つの的に矢を放つ「馬駆け」などが行われる。 そして夕暮れになると太鼓の合図で松明(たいまつ)がともされ、午後7時ごろ五社の神輿が松明の灯に導かれて神社に還御(かんぎょ)し、古式祭が終了する。この祭りの進行役を古来より果たしてきた仰木太鼓も有名で、仰木太鼓保存会少年部の130人が今年も祭り太鼓を披露する。(1999年5月掲載) |
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