−教会建築の登録は県内で初めて− |
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堅田教会 TEL 077(572)0069 |
大津市本堅田3丁目の日本基督(キリスト)教団堅田教会(川端諭さとし牧師)が、新たに国の文化財建造物に登録された。教会建築の文化財登録は県内では初めて。 この日本基督教団堅田教会は、キリスト教伝道師で数々の近代建築を手がけたことでも知られるウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880年−1964年)の建築事務所が設計し、昭和5年(1930年)に完成した。ヴォーリズが全国で建築した400棟のうち現存する数少ない建物の一つである。 トンガリ屋根の角塔を設けた個性的な外観が特徴で、赤レンガを低めに積み上げた塀(長さ15.5メートル)も同時に登録された。屋根は昭和9年の室戸台風で破損し、3年後に葺き替えられたが、木造一部二階建ての教会内部は当時のまま。向かいにある堅田幼稚園も当時は教会立であった。 アメリカの青年伝導師・ヴォーリズは、明治38年2月2日に近江八幡にやって来た。当時25歳。仏教の地での熱心な伝導に反発されて商業学校教師の職を解雇されたあと、建築設計業を始め、その仕事はヴォーリズ合名会社に引き継がれ、さらに昭和19年に設立の近江兄弟社へと発展する。 そしてメンソレータムの販売をはじめ幼稚園なども経営。ハモンドオルガンを日本に初めて輸入するなど文化面でも貢献した。 彼の設計した建物は教会だけでなく大丸百貨店の大阪、京都店や神戸女学院など設計は千有余におよぶ。宣教師、教育者、建築家、社会事業家と多くの顔を持った彼は、東京五輪の昭和39年、日本名・一柳米来留(ひとつやなぎめれる)として、84歳の生涯を閉じた。 堅田教会の川端牧師は「文化財登録を記念して、記念講演会や記念展を近く開き、ヴォーリズの偉業をたたえたい」と話している。(1999年2月掲載) |
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