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大津市園城寺(おんじょうじ)の天台寺門宗総本山園城寺(三井寺)で、先月14日から4日間、25年ぶりに密教の秘法奥義を伝授して、阿闍梨(あじゃり)の位を継ぐ儀式「伝法潅頂(でんぽうかんじょう)」が営まれた。 近江八景「三井の晩鐘」で有名な三井寺は、総本山園城寺の別名で、平安時代の高僧・智証大師円珍和尚(814−891)が開祖。天智天皇らの産湯に使われた霊泉があって御井の寺と呼ばれていたものを、智証大師が伝法潅頂法水の伽井(あかい)として用い、依頼1100余年の法脈が伝承されている。 この伝法潅頂の時だけに開扉される秘仏の金色不動明王画像(国宝)は350年ぶりに大修理が行われ、記念行事として智証大師坐像(国宝)の公開や、寺所蔵の仏像、絵画、工芸品など約50点を紹介する宝物展が、先月23日まで園城寺金堂で開かれた。 長い歴史のうえで再三の兵火に遭って焼失した園城寺だが、農臣氏や徳川氏の手によって復興され、現在も国宝や重要文化財など寺宝を数多く伝えている。その一部が伝法潅頂記念の宝物展で一般公開され、多くの参拝客が秘仏を拝観、重文経典に見入っていた。 師走に入ると、年の瀬も駆け足でやってくる。百八つの煩悩を除く除夜の鐘に備えて「三井の晩鐘」で有名な園城寺鐘楼のすす払いは今月28日午前10時から行われる。 僧りょが長い竹の先につけた箒(ほうき)で日本三大名鐘の一つに数えられる弁慶引摺鐘(ひきずりがね)を模鋳して釣り鐘(慶長7年鋳造、県指定文化財)のすすを取り除いて、31日夜の除夜の鐘を迎える。 除夜打鐘の希望者は午後10時半、観音堂に集合。参加料2千円(目玉もち、福守りなど授与品付き)、29日からは入山無料。(1998年12月掲載) |
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