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大津市伊香立下在地町の新知恩院(しんちおいん)は京都にある浄土宗総本山知恩院の疎開本山である。 応仁元年(1467)に始まる応仁の乱によって浄土宗総本山知恩院が炎上、その時に法然上人の御影(みえい)をはじめ多くの寺宝が伊香立上在地の庵(いおり)に移された。 その後、下在地の現在地に本堂などを建立し、知恩院の寺号に新の字を付けて大谷山華頂寺(かちょうじ)新知恩院と名付けられたものである。 だから京都の総本山知恩院の当時の22世住職周誉(しゅうよ)上人を知恩院の開基(かいき)上人とし、35世住職は浄土宗の宗務総長が兼務してきた。現在の36世住職・真野孝信氏78歳は浄土宗の宗議会議員を長く務めてきた八幡市にある尾張徳川家の菩提寺・正法寺(しょうぼうじ)の元住職。 新知恩院本堂の御影は浄土宗の元祖法然上人が鏡に影(うつ)して自らが刻まれたという像で「鏡の御影」といわれる準国宝であり、その他、六道図(ろくどうず)(重文)など数々の寺宝があって毎年8月の最終日曜日に虫干し絵(一般公開)が行われる。 今年は8月の台風のために延期されて11月1日午前10時から午後3時まで本堂で虫干し会があり、一般公開されることになっている。 また、浄土宗の寺で毎年秋に営まれる十夜(じゅうや)法要は、ここでは11月の最終日曜日、29日午後2時から本堂で厳修される。 鎌倉の浄土宗大本山光明寺(こうみょうじ)が発祥の十夜法要で、新知恩院の十夜法要では数少なくなった阿弥陀仏四十八願の礼拝行が厳かに営まれるのが特徴である。 また、新知恩院では12月31日の除夜の鐘の時に竹灯籠(とうろう)を境内に並べて誓文を入れ、無料の甘酒など接待があるので大勢の参拝客でにぎわう。1月15日の「どんど焼き」など人気行事も多い。(1998年11月掲載) |
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