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西近江しんぶんロゴ 大津市唐崎の湖畔 滋賀県指定史跡に唐崎神社7月28・29日夏越の祓いみたらし祭

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太鼓の上から勇壮に飛び下りる行者
地図
[交通メモ] JR湖西線の唐崎駅で下車して徒歩10分。
唐崎神社社務所 TEL 077(579)8961
 滋賀県教育委員会は先月、県文化財保護審議会の答申を受けて、唐崎(からさき)を県史跡指定とするなど17件の県文化財を追加した。
 大津市唐崎1丁目の湖畔、唐崎神社境内にある唐崎は、古来から万葉集をはじめ、古歌文学に登場する湖畔の名所で、近江八景の一つとして現存する数少ない場所。現在ある唐崎の松は三代目で樹齢約二百年、金沢の兼六園にも二代目の子種が移され「名勝・唐崎の大傘松」として保存されている。
 唐崎神社は、日吉大社の摂社(せっしゃ)で、古来は朝廷が琵琶湖唐崎から淀川までの「七瀬之祓(ひちせのはらえ)」の第一処(しょ)として、国家安泰の祓霊場に定められた所である。
 その代表的な祓祭が毎年7月28日と29日に営まれる「夏越(なつごし)の祓(はらえ)」の「御手洗祭(みたらしまつり)」。罪や穢(けが)れを払い、暑い夏を健康で乗り越えられるようにと紙の人形(ひとがた)に息を吹きかけ、茅(ちがや)や藁(わら)をたばねて作った大きな輪「茅(ち)の輪」をくぐって身を清める神事が行われ、京阪神からの遠来の参拝者でにぎわう。
 唐崎神社の「みたらし祭」は、7月28日と29日の両日とも終日ちのわくぐりと御祈祷、午前10時後6時から本殿前で湯神楽(ゆかぐら)、午後7時ごろから湖上炊上祭(たきあげさい)、そして28日の午後8時からは華やかな手筒花火の奉納が行われる。
 通常の茅の輪くぐりは、ただ輪をくぐるだけだが、ここでは参拝者が人形や願い串に自分の名前を書いて奉納し、木殿裏に設けられた茅の輪を8の字に3回くぐる。そして午後6時になると日吉大社の神官らが、奉納された人形を藁苞(わらづと)に入れて茅の輪をくぐり、7時ごろから湖中に立てられた朱塗りのの山王鳥居に向かって藁苞を投げるという古式にのった大祓の神事が展開される。
 寺院の1番札所にあたる七瀬之祓の唐崎で、人々は無病息災を願い、罪穢(ざいえ)を琵琶湖に流し去るのである。(1998年7月掲載)


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