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宇佐八幡宮は、近江神宮のちょうど裏山、宇佐山の山腹にある。土地の氏神、または子供の守神「むし八幡」として親しまれており、創建は治暦(ちりゃく)元年(平安中期−1065)で、源頼朝(みなもとのよりとも)の五代前にあたる源頼義(よりよし)が建てた由緒ある神社だ。 九州の宇佐神社から移した分神をまつって社殿を建てたので、この山を宇佐山と呼ぶようになったという。天智天皇の病気を治した霊泉があり、金殿井(かなどのい)と呼ばれて大切にされてきた。 古社だけに、ここの例祭は、真夜中に行われるので「夜祭り」という名がついた。八幡市(やわたし)・石清水(いわしみず)八幡宮の勅祭(しさい)と並び、深夜の例祭として知られている。かつては旧暦の8月15日が例祭日であったが、現在は9月14日から15日にかけて夜祭りが営まれる。 祭りは、9月14日夕の神事から始まり、山上にある本殿に神職と氏子代表、それに小学4年の女子が務める稚児(ちご)により御供(ごく)を手渡しで神前に供えられるのが珍しい。 このあと午後9時ごろかせ神輿渡御(みこしとぎょ)が行われるが、神輿は祭神の宇佐八幡宮と若宮の二社。木遣(きや)り歌をうたいながら参道を登ってきた駕輿丁(かよちょう)(神輿かき)が石段下から一気に山上へかけ登り、拝殿から二社の神輿をかつぎ出す。 そして山麓へ神輿を御渡すねが暗い急な坂道を、松明の明かりをたよりに、威勢よく本殿下の御旅所まで下っていくさまは実に壮観である。 翌15日は早朝から御旅所で神事があり、午後には二本松の御旅所などへ渡御して例祭を終える。 本来、神様の降臨(こうりん)は夜間であった。その古式にのっとった勇壮で荘厳な雰囲気の祭りが、ここの夜祭りの特徴なのである。(1997年9月号掲載) |
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