京阪電車石坂線「坂本駅」下車すぐ JR比叡山坂本駅下車西へ徒歩10分 |
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西近江は、歴史の町でもある。その歴史の道を、散歩するガイドとして、古墳から神社仏閣まで、この欄で紹介していきます。初回は山王祭がある日吉大社から歩きましょう。 これから、5月にかけて新緑の日吉大社は、秋の紅葉とは違ったおもむきがある。日吉大社は、全国に3800社ある「山王さん」の総本宮。重要文化財も多く、詳しくは改めて説明するとして、まず、周辺の紹介と、すでに始まっている山王祭の案内から。 日吉大社は、比叡山の東のふもとにあり、比叡山延暦寺と、神仏混合(しんぶつこんごう)時代には諸行事も一体のものが多かった。平成6年12月に比叡山延暦寺は、世界文化遺産に登録され、日吉大社周辺の坂本地区も、伝統的建造物群保存地区指定が検討されている。 そう厳院(ごんいん)、蓮華院(れんげいん)、薬樹院(やくじゅいん)、実蔵坊(じつぞうぼう)など、非公開社寺の庭園が、今年も4月29日から5月5日まで特別公開されるので、ぜひ見学しておきたい。 それに、見逃してはならないのが、日吉大社の祭礼、山王祭だ。湖国三大祭の一つで、中心行事は今月12日から15日に行われる。 山王祭は約1300年の歴史があり、神輿(みこし)を振り落とす勇壮な祭りとして知られている。 比叡山延暦寺の僧兵が朝廷にかつぎ出したのが、この社の神輿。「北嶺(ほくれい)の神輿振(みこしふ)り」(完治8年)として歴史上にも有名である。 山王祭は、この神輿を八王子山にかつぎ上げる「神輿上げ」(3月2日)に始まり、今月12日には、山から東本宮に神輿をかつぎ下ろす「午(うま)の神事」が行われる。 翌13日が「宵宮落(よいみやお)とし神事」。花渡(はなわた)り、未(ひつじ)の御供献納といった儀式のあと、夜7時ごろから始められる。東本宮四社の神輿を激しく振り落とす「神輿振り」が展開され、昔、京の街を暴れ回った叡山の荒法師をほうふつさせる。 そして14日には、7基の神輿の湖上渡御(とぎょ)があり、15日の酉(とり)の神事で一月半にわたった祭りを終える。(1997年4月・創刊号掲載) |
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