西近江しんぶんロゴ 大津市山中町・樹下神社のお弓行事

1月15日破魔矢を射て一年の無事を祈る

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お正月の鏡餅を供えた樹下神社 地図
神社境内の馬場でお弓行事の弓射
[交通メモ]
JR西大津駅より
京阪バス比叡平団地乗継、
山中町下車

 正月に弓を射る行事は全国に多いが比叡山中の谷間にある大津市山中町、樹下神社で毎年一月十五日に行われる「お弓行事」は悪魔を払う破魔矢*はまや*を射て、一年の無事を祈る古式行事としてよく知られている。
 この神社はもともと日吉大社の八王子宮を移したことに始まり、樹下神社と呼ばれるようになったのは明治二年(一八六九)からである。正月のお弓行事は、山中町の六人の「お弓仲間」によって運営されている。前年十二月八日に「二人の弓取役」が決まると、その日から精進潔斎*けっさい*の生活が始まり、祭りの日まで射場の準備や弓射の練習などが行われていく。
 そして一月十五日の朝、神社境内の馬場北端にある鳥居前に二本の松の木を立て、藁*わら*で作った大蛇が張り渡される。その前に大きな的が立てられ、的の上部に「鬼」の字を書く。その的から三十メートル離れた馬場の南端にむしろをしいた射座が設けられる。
 午後に出立ちの宿で出陣の小宴が設けられた後、神職を先頭に氏子総代、自治会長、弓引二人、師匠四人(弓仲間)らが神社に参拝。午後三時になると馬場で射式の辞が朗読されて、古式にのっとった弓射の儀式が始まる。
 作法では長方形に枠取りした砂盛りの周囲を二人の弓取り役がすり足で回り、裃*かみしも*の片肌を脱いで弓矢(破魔矢)を射る。弓射は二人で二本ずつ三度行われ、最後の矢が天高く放たれる。このあと的の後ろに張られた大蛇の縄で、子供たちによる綱引きが行われ、一年の吉兆を占って行事を終える。(2002年1月号掲載)


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