8月14日みこし飾り 15日みこし渡御 |
[交通メモ]
JR堅田駅から 江若バス仰木行き、 下仰木で下車、すぐ |
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大津市下仰木の八坂神社では、珍しい「笹神輿」の渡御*とぎょが八月十五日のお盆に行われる。滋賀や京都に「ずいき神輿」や「野菜神輿」はあるが、「笹神輿」が残されているのは、おそらくここだけといわれている。 この八坂神社は、仰木の集落内にいくつも祀られていた祠*ほこらの一つが大きくなったもので、横に並んで建てられている観音堂のおかげで境内は広くとられているのだという。笹神輿は神仏混淆*こんこう時代の名残をとどめるお盆の農業まつり。戦後まで各戸に飼われていた農耕用の牛が病気にかからないようにと牛の厄除けに行われた笹神輿渡御なのだが、昭和四十年になって担ぎ手の青年たちが仕事などで忙しいという理由でいったん途絶えてしまった。しかし昭和五十年になって笹神輿保存会が結成され、みこし渡しが復活した。 この笹神輿づくりは八月十四日に行われる。午後二時すぎ、保存会の約十五人が竹と笹を持って頭屋*とうやの家へ集まり、青竹で骨組みを作り、束にした笹を巻き付けてみこしを作る。みこしは四角すいで、一辺およそ一メートル。牛頭*ごず天王社用など二基の笹神輿が作られ、各家の花で飾りたてられて、同五時には花に覆われたみこしが完成する。 祭り当日の十五日には、同地区の三歳から十二歳までの子供ら約五十人が、頭屋の家に集合。正午すぎに出発して約五百メートル先の八坂神社まで、二基のみこしを担いで渡御。「病気をせず健康でありますように」と願って笹神輿を奉納する。 戦後までは農耕用の牛が見守るなか、「前がみ」と呼ばれる十五歳から十七歳までの青年たちで笹神輿が担がれていた。農村の伝統あるお盆のお祭りなのである。(2001年 8月号掲載) |
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