西近江しんぶんロゴ 伝教大師ご誕生地

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生源寺境内にある伝教大師産湯井
地図
本堂前の花まつりの花御堂と白象
[交通メモ] 京阪坂本駅からすぐ。坂本6-1-17 TEL.077-578-0205。
 大津市坂本六丁目にある生源寺*しょうげんじは、天台宗を開かれた伝教大師(最澄)のご誕生地。毎年、八月十八日の伝教大師の誕生日には「大師ご誕生会*え」として前日から法会やご詠歌講、盆踊り、カラオケ大会が盛大に催され、伝教大師のご誕生を喜び合う。
 また、四月八日はお釈迦さまの誕生日。生源寺では釈尊降誕会*しゃくそんごうたんえの「花まつり」が地元ボーイスカウト隊員らの手で行われ、大津市仏教会の白象パレードも同寺に立ち寄り釈尊誕生を祝う。釈尊は仏陀*ぶっだとも呼ばれ、仏陀の教えを仏教という。インドから中国を経て日本に伝わった仏教。「花まつり」では誕生地のルンビニの花園にみたてた花御堂*はなみどうを作り、その中の釈尊誕生仏に甘茶を注ぐのがならわし。甘茶は甘露をそそいで産湯*うぶゆとした故事による。
 ここ、坂本の生源寺には伝教大師最澄が生まれた時、産湯の水を汲んだという井戸がある。元は伝教大師の父三津首浄足*みつのおびときよたり公の邸宅跡で、神護景雲元年(七六七)八月十八日に幼名を広野と呼ばれた伝教大師がここで誕生。比叡山を開かれた後、両親に対する報恩のため、ここに寺を建てたという。
 伝教大師最澄は高野山(真言宗)を開いた弘法大師空海とともに、日本に新たな仏教の道を形成した大思想家。その意志と教義は直弟子の円仁、円珍に継がれ、円仁(慈覚大師)が、この寺を生源寺と命名。自作の十一面観音像の体内に伝教大師ご自作の千手観音を収めてご本尊とされた。この観音様は子授け観音とも呼ばれ、地元の人たちにも親しまれている。
 同寺のつり鐘は信長の比叡山焼き討ちの際、急を告げる強打のために破鐘*われがねになったと伝えられる。(2001年4月号掲載)


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