包丁塚と竈殿社は 日吉大社西本宮の拝殿横 の敷地にある |
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式包丁とは料理の作り方に関する作法(包丁道)のことで、古くは宮中で正月を祝って行われた儀式の一つ。一般に包丁人が広がったのは室町時代からで、料理の流儀もこのころから始まったと伝えられている。 それが江戸時代から式包丁は料理人の表芸となり、生間*いかま流や清和四条流など、さまざまな流派が生まれた。大津市錦織3丁目にある清和四条流本部は初代新宮家、旧名源義盛新宮十郎が始めた式包丁流派で、現在の家元は第33代家元の新宮章好氏(83歳)。門人15人を抱え、県内の料理人らで組織する清和会(会長は琵琶湖ホテル日本料理長の刀根盛治*とねもりはる氏)とともに大津市の日吉大社や近江神宮、奈良市の護国神社などの包丁まつりや饗宴*きょうえん祭、郡山お城まつりで包丁式を奉納。平成5年12月には日吉大社西本宮横の台所の神を祭る竈殿社*かまどのしゃ隣に、包丁隊を清和四条流と清和会ら関係者が建立した。 神前に奉納したりする式包丁は、昔は包丁人という資格を持った者が行って、宴の献立から進行まで司っていたという、いわばコーディネーターといった重要な役だったのである。今の式包丁は、手を使わずに包丁と2本の箸*はしだけで魚などをさばく、古式にのった包丁の儀式となっている。 さきほど日吉大社の西本宮拝殿で行われた包丁まつりでは、清和四条流の門人15人と清和会などの料理関係者ら約100人が見守るなか、清和四条流師範の包丁人・山上恵弘さん(38歳)が朱色の袴*はかま姿で神前に進み、古式ゆかしい清和四条流の式包丁を奉納。参拝者たちは鮮やかな包丁さばきに見入り、竈殿社と包丁隊にも参拝して料理の腕の上達を願っていた。(2000年8月掲載) |
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