JR堅田駅から江若バス細川行き、 坊村で下車徒歩3分 |
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平安時代から約1000年も続いている大津市葛川坊村町、息障明王院*そくしょうみょうおういんの太鼓まわしは、毎年7月16日から20日まで行われる比叡山回峰行者たちの葛川参籠*さんろうの中の1コマである。 この伝統行事は、明王院を開いた相応和尚*そうおうかしょうの伝説に基づく。貞観*じょうがん年中(859〜77)葛川の三の滝で修行中の相応和尚が、滝壺の中に不動明王を感得し、歓喜のあまり滝の中に飛び込んで不動明王を抱き上げたところ、仏体変じて桂の木となった。相応和尚はその霊木で不動明王を彫り、これをまつったのが明王院の始まりという。 太鼓まわしの主役である比叡山回峰行者の一行は、7月16日未明、比叡山無動寺の里坊である坂本本町の金蔵院で朝食をとり、午前5時に出発して明王院へ向かう。また、京都の大原から出発した行者たちは伊香立途中町で合流し、一行約50人は葛川坂下町平に着くと安曇川に下り、杖にはさんできたしきみを川に投げ入れて厳しい行の無事を祈る。このあと午後4時ごろ坊村の明王院に到着した一行は20日まで明王院で厳しい参籠の生活に入り、3日目の18日夜にクライマックスの太鼓まわしが行われる。 18日夜は、まず明王院横に鎮座する地主神社の例祭が行われ、午後10時ごろになると行者たちは掛け声勇ましくササラを持って石段を駆け登り明王院本堂になだれ込む。そして見物人がひしめく本堂の中で直径1メートル余りの大太鼓が回され、その回転が止まると行者たちは太鼓の上に乗って合掌し、向こう側に飛び下りる。これが十数回繰り返されて、一行は相応和尚が滝に飛び込み、不動明王を抱き上げた故事を思い起こすのである。(2000年7月掲載) |
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